チョイさんの沖縄日記

辺野古新基地建設問題等、沖縄の現状を考える!(文責:北上田 毅)

平安座島の石油基地の民間桟橋からの辺野古埋立土砂搬出は、第三者への「賃貸」であり、水域占用の許可条件に違反する。県は、何故、安和桟橋当時の見解を後退させ、承認するのか? 6月10日、土建部長交渉の報告

 6月10日(火)、沖縄平和市民連絡会うるま市島ぐるみ会議、ヘリ基地反対協海上行動チームが、5月9日に提出していた海砂採取問題、平安座島の石油基地の民間桟橋からの辺野古埋立土砂搬出問題について、沖縄県交渉を行った。我々は約15名が参加、県は砂川土建部長以下、統括監、海岸防災課長、港湾課長、各担当者らが対応した。

 まず、平安座島の民間桟橋からの辺野古埋立土砂搬出問題(要請書は5月9日のブログ参照)について報告する(海砂採取問題についても多くの課題が明らかになったが、後日、報告する)。

 質問事項と県の文書回答については末尾に添付するので参照されたい。

 質問事項1の、埋立承認の際の留意事項に違反し、知事の承認を得ないまま土砂の搬送ルートを変更した問題については、県は中止を求める行政指導を行ったが、防衛局はそれを無視して搬送を続けている。

 我々の、「53回もの行政指導が無視されているのだが、どうするのか?」という質問に対して、県は、「防衛局は県の指導に真摯に対応すべきと考えており、今後とも必要な指導を行ってまいります」というだけだ。防衛局の強硬策に対して、なす術もないようだ。

 そして、特に問題となるのが、質問事項2の、平安座島の民間桟橋からの土砂搬出問題である。

 この桟橋は、港湾区域内であるので、知事が沖縄石油基地㈱の申請に対して港湾法第37条1項の規定に基づき、水域占用許可を出したものである。公共の海の占用許可であるから、好き勝手に使えるわけではなく、許可条件や占用の目的に沿って使用しなければならないことはいうまでもない。

 この桟橋の占用許可は3年毎に更新されている。最新の許可書は本年3月27日のものだが、「許可条件1」として、「この許可を受けた者は、当該許可により生じた権利を他人に転貸し、若しくは譲渡し、又は担保に供してはならない」とされている。そして、「許可条件に違反したときは、本許可を取り消し、変更し、又は原状回復を命じることがある」と明記している。

 今回の辺野古への土砂搬送のための桟橋使用は、水域占用許可を受けた沖縄石油基地㈱自身が行っているのではなく、辺野古新基地建設事業の埋立工事を受注した業者が行っているのだから、まさに「許可条件1」が禁止する「転貸」に該当することは明らかである。

 私たちは、知事が、「この桟橋からの埋立土砂搬送作業を中止するよう指示し、従わない場合は、許可条件違反として、水域占用許可を取り消すこと」と求めたのだが、土建部長の回答は驚くようなものだった。

 土建部長は次のように回答した。

 「申請者が占用許可を得ている対象はあくまでも水域であり、その水域に設置した構造物を第3者に使用させることは、水域を占用する権利の「転貸」には当たらない。」

 こんな詭弁が通用するのだろうか? 「占用」とは、道路や水域等に、工作物を設けるだけではなく、その場所を独占的に使用することである(「占用とは、道路に一定の工作物、物件又は施設を設け、道路の空間を独占的・継続的に使用すること」(国土交通省HP))。今回の場合は、桟橋の設置だけではなく、そこを独占的に使用する権利を含むのは当然である。

 2018年当時、安和桟橋から辺野古埋立土砂の海上搬送が始まった際も、同様の問題が指摘された。

 安和桟橋付近は港湾区域ではなく、一般の海域であったため、桟橋の設置は「国有財産法第18条第6項並びに沖縄県国土交通省所管公共用財産管理規則第4条」に基づく琉球セメントの申請を知事が許可したものだった。同規則第12条でも、「この許可を受けた者は、当該許可により生じた権利を他人に転貸し、若しくは譲渡し、又は担保に供してはならない」と、今回の水域占用許可と同じ条件が課せられている。

 当時、安和桟橋からの辺野古への土砂搬送は第3者への転貸ではないかという指摘があり、伊波洋一議員が県に照会文書を出した。これに対して県は次ののように回答した(当時の辺野古対策課長多良間一弘氏(現環境部長)名の文書)。

 「安和桟橋の設置許可は琉球セメントが受けているので、安和桟橋を沖縄防衛局が使用した場合には『転貸』に抵触する可能性がある

 ただし、今回の積み出し作業について琉球セメント又は防衛局から詳細な説明がなく、どのような形態で作業を行っているのか不明であることから、『転貸』に該当するものであるのか、現時点で判断できない。

 県としては、12月3日付で公共用財産の使用を即時に停止するよう求めるとともに、立入検査の要求を行ったところであり、今後、詳細に事実を確認し、関係法令に基づく対応を検討していくこととしている。」

 少なくとも当時は、今回のような、「占用」と「使用」を切り離して、許可条件違反ではない断言するというような説明は行っていない。この点を追及すると土建部長は、「当時はそのような見解を出したが、その後、転貸にはあたらないと整理した」と答えた(多良間部長とも相談していないという)。

 ここ数年、沖縄県辺野古新基地建設事業に対する対応は大きく後退している。交渉の途中、体調が優れなかったこともあって、頭がぼんやりとし、「今、話をしているのは防衛局の職員なのか?」と思えてしまった。何故、県の幹部が、これだけ防衛局に行政指導を無視されているにもかかわらず、事業を推進させることにやっきになるのだろうか?

 今日も宮城島の鉱山からは、200台もの土砂を積んだダンプトラックがこの石油基地に入っている。鉱山のゲート前では、懸命のムカデ行進が続いているが、県がこのような対応では、前途は暗い。