チョイさんの沖縄日記

辺野古新基地建設問題等、沖縄の現状を考える!(文責:北上田 毅)

<検証>政府が提案した「1ケ月の作業中断」---もう行政不服審査請求による執行停止申立はできない!

 8月6日(木)、沖縄防衛局前で県民会議主催の抗議集会が行われた。カヌー隊や船長たちも参加、総勢は200名ほどにもなった。皆で防衛局に抗議するとともに、1ケ月の作業中断期間中も、シュワブ基地ゲート前や海上抗議行動の継続・強化を確認した。

       (嘉手納の沖縄防衛局前での抗議集会)

 ところで、昨日、突然発表された政府と沖縄県の合意に関して、まだマスコミも誰も触れていない問題を指摘したい。

 翁長知事は本年3月23日、防衛局が大浦湾の岩礁破砕許可区域外に大量のコンクリートブロックを投下した問題について、県の調査が終わるまでの間、全ての作業の中止を指示した。これに対して防衛大臣は、翌24日、農林水産大臣行政不服審査請求を行うとともに、その裁決までの間、知事の指示書の執行停止を申し立てた。

 3月30日、農水大臣がその執行停止を認めた。行政不服審査請求の執行停止は、①重大な損害を避けるための緊急の必要がある場合、②公共の福祉に重大な影響を与える場合に認められる(行政不服審査法第34条)。農水大臣が執行停止を認めた理由は、「本件指示で作業が停止されれば、事業が大幅に遅れることとなるため、普天間飛行場周辺住民に対する危険性や騒音の継続による損害、日米両国間の信頼関係への悪影響による外交防衛上の損害といった回復困難で重大な損害が生じる」というものであった(「決定書」2頁)。

 県が調査に入る期間は長くて1週間ほどと言われていた。農水大臣はたった1週間の作業停止が「回復困難で重大な損害が生じる」として執行停止を命じたのである。 

 今回の政府と沖縄県の合意内容を検討してみよう。菅官房長官は、今回の「停戦協定」は政府からの提案であったことを認めている。1ケ月という長期の作業停止を政府が提案したのだ。しかもこの間、台風等の影響で、海上ボーリング調査は6月30日から行われていない状態が続いていた。その期間をあわせると2ケ月以上の作業停止となる。コンクリートブロック投下問題については、わずか1週間ほどの作業停止が「回復困難で重大な損害が生じる」として執行停止を命じたことと比べても、全く辻褄が合わない。農水大臣は、行政不服審査法第35条に基づき、ただちに本年3月30日の執行停止決定を取り消さなければならない。

 また、今まで、知事が埋立承認を取消しても、政府は再度行政不服審査請求と執行停止を申し立て(今回は国土交通大臣の所管)、知事の承認取消しを形式的に無効にして事業を継続するのではないかと言われていた。しかし、今回、政府が2ケ月以上もの作業停止を自ら提案した以上、知事の埋立承認取消しに対して、「事業が遅れる」として執行停止の申立を行うことは理屈があわない。

 1ケ月間の協議期間が不調に終わった場合、知事は、ただちに埋立承認を取り消さなければならない。それに対して、政府が行政不服審査請求にもとづく執行停止の申立を行うことはもうできなくなってしまったのである。